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綿矢りさの『蹴りたい背中』読みました。わたし前作の『インストール』読んでなかったし、最近本も売れてないし売り上げ伸ばすための話題づくりにかわいい女の子を賞に選んだのねってな感じのイジワルなキブンで読み始めたのですが(だもんで自分で買わずに借りた)。いやあ、ほんっと、すみません。わたしが間違ってました。素晴らしいです。読むまではなんとなくイメージで優等生的でなんか頭でっかちな小説だと思い込んでたんですが、適度にエロな匂いもしかなりイジワルででもいじらしい、ほんでもってうまい!おもわず続けて2回読んでしまいました。19歳でこんな話が書けるというのに世界の中心でなんか叫んでいる人、四十半ば(どっちもだいたい同じ厚さの本なのでつい思い出してしまった)。片や何年もの月日が流れ外国にまで舞台を広げて人まで殺しているのに、あの中身の薄さ。片やほんの高校時代のある期間の舞台なんて住んでる街オンリー、出来事といえばコンサートに行くくらいなのにこの重いずっしりした腰のすわった感じ。うーむ。年を重ねるというのはいったいどういうことなのかと不思議なキブンに。いやあ、読んでよかったです。なんとなく先入観があって迷ってる方は是非是非だまされたと思って読んでみてくらさい。次作が楽しみだなあ。
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