チェンジングレーン

うわー。顔デカっ。
そう思ってしまうのはベン・アフレックをスクリーンでみたときのお約束ですが(え?わたしだけ?)今回はまた一段と顔圧が強いような気がするのは何故何故何故?
と思ったら、げ。むちゃ
増毛してるよ(当社比1・5倍)。デスクで頭を抱え苦悩するベンの頭頂部を、背後上方からぐーっと頭皮根毛部分まで画面一杯にズームする謎のシーンもあったりして(マジ)。はは〜ん。増毛屋さんとのタイアップですな〜。

無理な車線変更(チェンジングレーン)のために起きた事故で二人の男の人生の歯車が狂いだすという長い一日プラスαの話。
事故現場に重要書類を落としたために現在の地位が危なくなりかかっているベン・アフレック。彼の書類を握っているのは彼に車を追突されたせいで調停に遅刻し、妻と二人の息子を失ってしまったサミュエル・L・ジャクソン。

すでに大切なものを失ってしまった者がその原因をつくった男のこれからの人生を左右するキーポイントの品を手にしている。
それを渡すか渡さないか。
その取引において一方的にサミュエル・L・ジャクソンが強者でなくベン・アフレックもその社会的地位から彼をもっと困った立場にすることができる。そのへんの駆け引きをめぐってふたりの天秤が上がったり下がったりする様が面白かったです。

どうも今までのベン・アフレックの演る好青年という役柄はなんだか彼のキャラに馴染まず見ているこっちが落ち着かない感じでしたがここでの小ズルイキャラはなかなかいい感じ。
自分の利益を守るため、保身のためならちょっとした嘘は平気でつけてしまう。目的を達成のためなら相手の人生を無茶苦茶にしても卑劣な手段を使える男。
しかし、それが性格や生き方として完全に固定されてしまった老獪ではなく。良心の呵責というものはまだ心のどこかに残っていて、これでいいのか?と自分に問い返すすべは知っている、という若者像で、初めてハマってるやーん、と思えました。

ラストはもうちと苦いほうがいいんじゃないのーと思いましたが、これがベン・アフレック主演、としたらぎりぎりのとこなのかしらん。

今日のデブ
サミュエル・L・ジャクソンがローンの融資を受ける銀行の担当者に
マット・マロイ
サミュエル・Lが立ち寄る、酒場のバーテンダーにNoel Wilson
断酒会の会員にGilbert S Williams

12・5
 

  
 

マイノリティレポート

ずぶ濡れで乳首が透けすけの女性がハアハア言いながらしがみついて離してくれましぇん〜という映画でした。(嘘。いや、でもそういうシーンが結構長きに渡ってあるんですってば)

もうちっとSFばりばりの映画かと思っていたら「近未来お役所謀略サスペンス」って感じの話でした。
その中で話しのキーになるのがコリン・ファレル演ってるトムと対峙する司法省のウイットワーなんですけど。
なにせミッションインポシブル2ほどではないにしてもやっぱトム・クルーズの俺語り映画。
もっとウィットワーとトムの関係性について掘り下げる描写を多くすればサスペンス部分が張りのあるものになったと思うんですけど。俺様トムの苦悩とヒュ〜マ〜ンを全面に押し出すのに時間を割きすぎてウィットワーはただの「登場人物その一、まあでもほかの人よりは重要だけどね」、って扱い。話を進めるだけの駒にすぎないというかなんというか。他、登場人物もいい人そうに見えて実は腹黒(その逆も)。という安サスペンスにありがちなパターンが多かったのでなんか今ひとつ入り込めなかったです。でラストは、監督〜、やっぱ、落としどころはそこですかいってな感じでした。

わたしのSFに関して知識が薄いってことでおいしい部分を見落としていてこういう感想になっているような気もするけど。でも「?」の箇所もいっぱいありましたです。
トム・クルーズが袋に入れて持ち歩いていたあの重要なナマモノ。あんなに長い間持ってて腐らんのですかい。それ用の加工をしていたようには思えなかったですけど。
それに片目のエピソードはどこ行ったの。放ったらかしですかーい。
あと、あんなに具合の悪い人をいろんな場所にひきまわしちゃいけません。あんたは鬼ですか、トム。

でも全然面白くないってわけではないっす。後半真相がわかってゆく過程は、ほう、ほう!といった感じだったし。なんといってもSF場面はきれい。でもそれもアングルとか画面構成が、
攻殻機動隊に似ていると思うのはわたしの気のせいでつか?

にしても
サマンサ・モートン。家に帰ってキャスト表みるまで「ギター弾きの恋」のあのハッティだとは気づかなかったっすよ。まるで別人。恐山のイタコかと思いました。いや、まあそういう感じの役ではあるんですけど。

今日のデブ
そんなにデブじゃないんですけど、ちっとふっくらしてるってことでハイネマン博士役の
ロイス・スミス
トム・クルーズの同僚で彼に好意的な
スティーブ・ハリス

12・11
 

 

ギャングオブニューヨーク

これまでダニエル・デイ・ルイス、特にこれといった思い入れのない俳優さんでしたがこの映画で、んも〜。惚れました。彼を見られただけでこの映画観てよかったです。彼のお陰でこの映画が成っている。そういっても過言じゃないかも。
「ボクサー」で一時引退して、でもこの「ギャングオブ〜」でまた出てきたからお?復活?と思いきや。もうこれが本当に俳優活動最後の仕事なんだって。残念すぎるー。

ニューヨークのファイブポイントという場所を巡る権力抗争で父、リーアム・ニーソンを殺されたデカプリオが大人になって復讐に戻るという話なんですが。
上映時間2時間40分は長〜すぎるー。監督ー。お願いもうちょっと短くしてー。この時期。館内がんがん暖房の効いてて頭ぼーっとしてる状態。ちょっとでも話がダレると睡魔やってきてねーむくてねーむくてしょうがないっすよ。で、案の定、眠くなりました。Z〜。

だいたいギャングに愛だの恋だのっては不必要ですってば(きっぱり)。「この復讐が終われば愛だけに生きると誓う」って。全然愛だけに生きてなかったし〜。
それに監督親切すぎー。今はすっかりダニエル・デイ・ルイス側の手下になった人間たちがリーアム・ニーソン側にいたときにどうだったかって、回想シーン。わざわざ再び挿入して説明してくれなくても、顔みりゃ、どれが誰だかわかりますってば。
そんなシーンはすべてカットカーット。そしたら1時間は短くなりますって。

もう最後のほうなんてデカプリオとキャメロンディアスのどーでもええ恋愛模様を長々とみせられたせいで(デカプリオのちん○見えるとかキャメロンディアスの乳丸出してのがあれば話は別ですがそんなもの当然あるわけもなし)、わたしゃ2秒ごとに睡眠、覚醒、睡眠、覚醒の頭ぶんぶん回しっぱなしのヘッドバンキング状態。ボヘミアンラプソディでもかかってたらひとり「ウエインザワールド」っすよ。

マジな話をすると
父の復讐に戻ってきたデカプリオのやったアムステルダムという男より
復讐される側、ダニエル・デイ・ルイスのビル・ザ・ブッチャーという男のキャラと物語のほうが断然魅力的なんですよ。彼を主人公にして欲しかった。

この物語、ギャングのルーツや南北戦争時代のアメリカの話であるとともにニューヨークのファイブポイントという「場所」の物語でもあるわけで。
子供時代しかそこにいなかった新参者デカプリオよりもそれまでずっとその場所を牛耳ってきたボス、ダニエル・デイ・ルイスとその場所にうごめく人々との長い時間を通して出来た関係のほうが濃密で面白〜い。
キャメロン・ディアスとの関係も彼とのほうが複雑で興味深いし。3人の関係、デカプリオ視線よりデイルイス視線のほうが絶対面白かったと思う。
そもそもこれってもともとはブッチャーの物語としてあったんじゃないのかなあ。観客動員のことを考えるとどうしてもデカプリオを主役にせざるを得なかったとか?(と勝手に推測)


今日のデブ
今回デブ見にとっては嬉しい映画でございました。有名どころのデブが多数出演。
ダニエル・デイ・ルイスとつながりのある政治家ウィリアム・トゥーリードに
ジム・ブロードベント。最初はリーアムニーソン派だったのにすっかりダニエル・デイ・ルイス派に寝返った保安官にポールトーマスアンダーソン作品でおなじみジョン・C・ライリー。主義でなく報酬のために闘う男モンクにブレンダン・グリーソン
で、
レオナルド・ディカプリオ。かなりむっちりしてましたが今回は役柄にあっててよかったと思いました。

12・24
 

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